2006年12月02日

地獄少女二籠 第8話 「偽地獄通信」

 中学のプール、骨女も混じっての競泳(レース)が行われている。生徒達の声援が響く中、夏服のセーラー姿のあいが後ろからそれを見ていた。
 骨女が大差をつけてゴールし、次の授業は遠泳と告げると、いっせいに生徒達の間からため息が漏れた。



 拍手をしながら女教師・真美が骨女に近づいてくる。タオルを運んできた女子生徒たちも、骨女の速さや肌の艶を褒め、一体何歳ですか?と訊ねてきた。
 「200歳くらいかな」「ギャグとしてはイマイチですね」
 思わずまわりに笑いがおきる。
 
 が、その時。
 「野々原郁恵さん」という厳しい声が響き、皆の視線が一斉にそちらへと集中する。
 ひとりの厚化粧の女教師が、女子生徒のひとりに強く注意をしていた。再三の注意にも関わらず、髪を切らないことについてのようだ。
 
 その教師・馬場翔子は、説教が長く生徒の気持ちを理解していないと、骨女の近くにいた生徒が言い、骨女はそれをたしなめる。

 注意をされた生徒・郁恵は反省の色も無く、馬場が地獄へ流されればいいのに、と話しているのを一目連の目が見ていた。

 郁恵が部屋で髪を乾かしていると、一通のメールが届く。
 地獄通信と書かれたそれをクリックすると「(地獄へ送りたい)相手の名前」「自分の名前」の記入欄と「送信欄」が現れる。
 馬場と自分の名を入力し送信をクリックする郁恵。
 だが次の画面には「エラー」と同時に「恨みの念が足りません」の文字が出る。
 それを見た郁恵は念を込め送りなおすが、またエラーが出たため、何度も何度も送信を押し続ける。壁にはそれを見る一目連の目が。

 夕暮れの里では、輪入道が骨女の背中に湿布を貼っていた。きくりは湿布を物珍しげにながめ、その匂いを嗅いでう〜んとなっていた。
 そこへ一目連が帰って来る。
 「あの子のところにもメールがきたぜ」
 「一体どういうつもりなんだろうね、この偽地獄通信を作った奴は」

― 時間軸が過去へ跳ぶ ―

 パソコンの画面・偽地獄通信を見つめるあいと三藁たち。
 一目連「人間のやることはどうもねえ(解らない)」
 骨女 「この子もね(きくりの方を向く)」

 気にするなという輪入道にあいは、恨みの念が歪んでいる、ほっておくわけにはいかない、と答える。その言葉に三藁たちは調査を開始する。

 そして分かったのは、そこに書き込まれる名前がいつも馬場翔子だということだった。まるで馬場を地獄へ送れと言わんばかりに、馬場に注意された生徒の元へ(偽)地獄通信からのメールが送られてくる。

 潜入して結構経つのにまだ分からないのかい、とからかう様に言う一目連に、生徒は何百人もいるんだよ、と言い返す骨女の鼻先に、きくりが湿布を貼りつける。
 あいに止めるよう言われたきくりは湿布をはがそうとするがなかなか剥がれず、骨女は皮がはげると大騒ぎとなりかける。
― 湿布ってそんなに剥がしにくいものでしたっけ? 皮が剥がれるって…… 骨姐さん… ;

 次の日、骨女が登校すると、地獄少女のことが学校中で話題になっていた。
 骨女が噂の根源・屋上へ行くと、地獄少女の名をかたる者が、馬場を恨む者の名を連記したもの(ボード?)をフェンスに括りつけていた。

 骨女(やってくれるじゃないか、こんな堂々と)

 後ろからそれを見つめるあいと真美。
  ― なんとなくですが、このシーンで犯人がピンときました。

 騒ぎの中、ジャージの男性教師が屋上へやってきて「教室へ戻れ」と叫ぶ。

 教室では自習となり、教師たちは会議を開いていた。
 心当たりを訊かれ「ありません」と即答の馬場。
 若い人の方が詳しいだろうと、真美と骨女が指名されるが、骨女は水泳一筋でしたから…と誤魔化し、真美は噂くらいは…と答える。それを聞く馬場の表情がすっと切なく翳った。

 「で、どうなったんだい」
 骨女に湿布を貼りつつ輪入道が尋ねると、生徒に送られてきたメールアドレスを聞きだし、パソコンに詳しい先生たちがそこから辿って調べるらしいと骨女が答える。
 「俺たちの手間が省ける」と言う一目連に、「どうかしら」とあい。

 そのあいの「止めなさいきくり」と言う声に、ふと輪入道が後ろを向くと、きくりが輪入道の頭に湿布を貼ろうとしているところだった。

 「ダメ?」
 「だめ」
 するときくりは自分のおでこに湿布を貼り「効く〜」と手足をバタバタさせる。
 「何やってんだか」と骨女。

 ある教室の休み時間―
 真美がひとりの女子生徒を呼び出すと、彼女を進路指導室に連れて行く。
 扉を開けると、そこには大勢の教師達が。その中のひとり(校長?)が口を開いた。
 「伊神和香さん、君が地獄少女だね」「え?」

 どうやら地獄少女のメールは、色々と偽装が施されていたものの、皆ひとつのアドレス−この学校で和香に振り当てられたメルアドに辿り付くというのだ。
 パソコンを操作し、0時直前に送るようにしたんだろう、パソコンが得意な君にはお手のものだろう、と教師達は和香を責めたてる。

 「私じゃない!」
 反論する和香に真美も口添えしようとするが、他の教師の咳払いで遮られる。
 馬場を嫌っているという動機、動かぬ証拠、それでもまだ言い逃れをしようかするのかと言われ、「でも私はやってない!」と俯き唇を噛む和香…

 「自宅謹慎とは厳しいですな」「反省の色が全く無いですからね」
 それらの声を背に「伊神さん、どうして…」と、ハンカチを目に当て泣く真美を、同年代の同僚たちが慰めていた。

 「まさか伊神さんが犯人だったなんて… でもこれで安心ですね」
 馬場と廊下を歩いていた骨女がそう話しかけると、
 「あの子がそんなことするわけ無いでしょう」と馬場はきっぱりと言う。
 思わず立ち止まった骨女をあとに、馬場はひとり歩き去っていく。
 その姿を見る骨女の後ろから「まだ終わってない」と、あい。
 「これからよ」
 ふたりの間を一陣の風が通り抜けていく―

 夕暮れの学校、パソコンの前に真美の姿が。
 夜、和香の元へ真美からTELが入る。
 大変なことが分かった、馬場は実はとてもパソコンに詳しく、和香のメルアドを利用して今回の騒ぎをおこしたのだ、と。
 どうしてそんな…という和香の問いに真美は、馬場は自分に反抗的な生徒が許せず、みせしめに特に反抗的な生徒をいたぶるのだ、だが確たる証拠は無いし、このままでは和香は高校にも行けなくなるかもしれないと語る。
 どうすれば…と問う和香に、ひとつだけ方法がある、馬場を地獄通信で地獄へ流してしまうのだ―と、真美は答える。
 でもあれは噂で…と戸惑う和香に、自分は本物のアドレスを知っている、それを教えてあげると誘いをかける。

 0時前の学校、バソコン室の扉を開ける音。
 他の人に気付かれると不味いから灯りはつけないように、場所は教壇の正面、あとはリターンキーを押せばいいだけ等など、真美は次々と指示を与える。少女は言われた場所の椅子に座る。

 0時になった瞬間、「今よ!」と真美。少女がキーを押すと、本物の地獄通信に繋がった。
 
 そのことに狂気し、早く馬場の名を書き込み送信するよう急き立てる真美だが、座った影は微動だにしない。

 痺れを切らした真美が和香の方へ身体を乗り出し、馬場が生きてたら自分の人生が目茶苦茶になるのよ、と追い立てるが、その少女が和香ではないことに気付き思わず後ずさった。

 立ち上がった少女の顔を見て、真美は驚愕する。

 「閻魔…あい…!」

 「9年ぶりね、栗山真美。いえ、真中真美さん」
 「…! 憶えてたの…!」

 ―回想―

 床に落ちる藁人形、床に四つん這いになったセーラー服の少女。
 『死んだら私も地獄に!? 嫌よ、私は死んだら天国へ行くのよ、お願いあの化粧ババァだけ地獄へ流して。いいでしょう? ねえ』(あいに縋り付く真美)

 「あいつのせいで私の中学時代は暗黒だった」
 そう言うと、真美は自分の不幸の全ては馬場のせいで、嫌がらせも色々とやってきたと語りだす。

 そうして同じ職場に勤めだして分かった、あいつは離婚も全然堪えてない、昔通り口うるさくて、やはり地獄へ流すしかないのだと。
 この学校には馬場を恨んでる生徒が沢山いる、そいつらを利用するのだ、と真美。

 一歩前に出るあい。思わず後ずさる真美。

 「自分の手を汚さずに?」「そうよ、悪い!?」

 「貴女の仕業だったのね、栗山真美さん。いえ、真中さん」
 いつの間にか背後に来ていた馬場の声に、凍りついた顔で思わず振り向く真美。
 「先生、私のこと…」

 馬場は、栗山が真美であることはすぐに気付いた、だがそんなに恨まれてるとは知らなかった、でもあなたも教師になったのなら分かってくれると思っていた、と語る。
 だが真美は楽そうだから教師をやってるだけ、と言い放つ。

 貴女は教師として一番やってはいけないことをやってしまった。自分の生徒を犠牲にしようとした…と言うと、馬場は開かれたままのパソコンの前に座り、真美の名を入力すると、一瞬の躊躇の後「送信」をクリックした。
 その瞬間、馬場の表情が一瞬歪んだ。

 「誰の名前を書いたの!?」と真美。
 それを無視し、あいは馬場に近づくと、藁人形を渡し、使い方の説明をはじめる。

 「答えなさいよ!」ヒステリックな真美の叫びを無視してあいの説明が続く。
 
 死後、自分の魂も地獄へ堕ちるというところで、「当然の代償ね」と頷くと、馬場は人形を手に真美の方へ顔を向けた。

 「まさか…!」

 「誹謗中傷を受け続け、夫も子供も離れていって平気なわけがないでしょう、子供たち生徒達の前では平気な顔をしていただけよ」
 「嘘でしょう?」

 馬場から人形を取り上げようとする真美だが、骨女と一目連に妨害される。

 「だ…だって、先生も地獄に流されちゃうのよ?」
 「貴女のような教師を生み出してしまった、報いだわ」
 そう言うと馬場は赤い糸を解く。悲鳴と共に堕ちていく真美―

 「こんなこと言うのもおかしいけど、なるべく苦しまないようにしてあげて」
 残された女教師の目から涙が尽きずに溢れ出している。
 「一応教え子だから…」

 地獄へ向かう船の上に横たわる真美。
 「なんで私が地獄へ… 私、天国へ行くはずだったのに」

 「人を呪わば穴ふたつ。最初に会った時言ったでしょ」
 正気を失い、口元から涎?を流しながら乾いた笑いをあげる真美…

 「この恨み、地獄へ流します」

 一方学校では、例の事件の犯人が真美だということが話題となっていた。
 「生徒に罪を被せようとするなんて最低よね」
 「それより今日来る水泳の先生、馬場先生の昔の教え子だって」
 「ええーっ」(声がいくつも重なる)
 
 職員室ではその新任教師が挨拶し、歓迎の拍手で迎え入れられていた。
 彼女は馬場に近づくと、昔の反発を詫び、今後も指導してくれるようにと挨拶する。
 てっきり恨まれてるかと…と、少し戸惑ったように言う馬場に、
 「そりゃあの当時は… けど今はあれが愛の鞭だって分かりますよ」と、笑顔で答える。

 「そう…、貴女は分かってくれたのね」
 馬場の表情が明るく優しいものへと変わっていく−

 校庭に面した渡り廊下?で胸元の刻印を確かめると、馬場翔子は校舎に向かって静かに歩いていった―

 ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ 


 ターゲットと依頼者が教師と生徒、というパターンは、前期の12話以来ですね。
 予告ではターゲットになると思われた人物が依頼者となったり、かつて依頼をした人物が地獄行き嫌さに正式な依頼を断ったものの、数年後他人を使って憎い相手を地獄送りにしようとして返り討ちに遭ったり、依頼者がターゲットをなるべく苦しませないでと頼んだりと、色々と新しいパターンの出てきた回でした。

 ところで、さっき公式を覗いてきましたが、依頼者とターゲットの名前がしっかり書いてあって、ネタバレしてましたね ;
 自分は公式を見に行くことはあまり無いのですが、いつもチェックしてる方は、なるべくキャストの頁は見ない方針でいた方がいいような気がします。

 さて「偽地獄通信」というタイトルを最初に聞いた時は、地獄少年のような能力者が出てくるのか否かにも注目でしたが、偽地獄通信の画面に自分の名前を入力する欄があったことで、一気にその線が消えた気がします。
 (悪質スパムのように?)自分の名を送信すると、おかしなことに利用されてしまうのではないかと思いましたが、案の定利用されてしまいました。

 それにしても偽地獄通信の画面から、歪んだ恨みだと感じ取ったあいちゃんはさすがです(蛇足ですが、二期では前期・7話以降見ていない私服がまた見たいと思っていましたから、私服ではありませんが夏服が見られてスタッフさんGJ! です)。
 
 さて後半は、真美の変貌ぶりが見事です。
 作り話で和香を揺さぶり、深夜の学校へおびき出し、本物の地獄通信に馬場先生の名を書き込ませようとする様は、馬場先生並みに(?)口うるさいことこの上ない(笑)。
 しかも地獄少女を呼び出せても、代償の説明を聞いて止めると言いだしたらどうするつもりだったのでしょうね。無理やり人形を取り上げて真美が糸を解くつもりだったとか…?
 
 その和香が実はあいだったことで、真美の過去が明かされることになるわけですが、中学時代が暗黒だったというのはとにかく、本命高の受験の失敗や両親の離婚(だから当時と名字が違うわけですね)まで馬場先生のせいとは、逆恨みもいいところです。
 
 地獄には行きたくない、だから他人を利用して憎い相手を地獄へ送ろうとしたわけですが、ことの成否はとにかく、そんなことをした人間が死後天国へ行けると本気で思っていたのでしょうか。

 そしてラスト近く、当時の馬場先生の言動が愛の鞭であると分かったという元・教え子が教師として現れたことで、彼女は救いを得る終わり方になっています。

 そのことで気になるのですが、馬場先生は、今後も自分のスタンスを崩さず愛の鞭を振るい続けるのでしょうか。
 それとも自分の行動が生徒を悪用するのを厭わない教師を作り上げてしまったことを教訓として、何か少しでも変わる(変えて)いくのでしょうか。

 まあ、今まで影で血の涙を流しつつも生徒を指導してきた馬場先生なので、変わらないような気もしたりしますけどね…

 ただ、個人的には、せめて長説教は止めて欲しいなと思っています。
 話がくどいと、生徒は早く終わって欲しいということに気がいってしまい、説教の内容はおぎなりになってしまいますから… いやホントに(苦笑)。
 
 ところで、「厳しさ」「愛の鞭」がテーマだった今回(?)ですが、あいがきくりに注意するシーンが二ヶ所ほどあります。
 一度は骨女の鼻先に湿布を貼った後、二度目は輪入道の頭に湿布を貼ろうとするのに気付いた時。
 特に二度目、「ダメ?」と訊くきくりに「だめ」と答えたあいの声のトーンが、静かに低かった(子供には怖く聞こえるかも)ので、何となくあいがお姉さんというかお母さんぽく聞こえてしまったというか、さり気に今回のテーマ?に絡めてあるかな…と感じました。


 さて次回は兄を地獄へ流そうとする妹の話のようです。
 それにしても、妹の恋人を奪う兄って… ;

 また新たなるパターンが出てくるのでしょうか。
posted by セレネ at 19:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 地獄少女 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
夜中に生徒を学校に呼び出す時点で、教師失格だと思う。
Posted by at 2016年09月30日 12:28
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