2007年01月10日

地獄少女二籠 第11話 「遠い隣室」

 予告では動物好きのアパートの住人と動物嫌いの住人とのトラブルかと思いきや、蓋を開けると少し違っていました。

 冒頭で既にターゲットの名を送信したり藁人形を受け取ったりということはあっても、糸を解くというパターンはおそらく初めてだと思います。
 そして今回の依頼者・志津子が、一目連こと連くんに起こされるところから話が動きだします。


 引越しの部屋の片付けを済ますなど、既に志津子と一目連(連君)は、かなり親しい様子。恋人とまではいかなくとも、BF・GFと言える間柄…?
 そしてアパートの前の公園で鞠をつくきくり。
 ― 物語の最初の方からなにやら色々と関わってきますね ―

 志津子が窓から公園を見ていると、昼間見かけた猫がおかしな動作をしていた。不審に思い様子を見に行くと、その先の器には蛆のわいた食べ物が。
 ぎょとしてそれをゴミ箱に捨て、新しい猫缶を皿にあけても食べようとしない猫を心配し、連と連れ立ち獣医に診て貰うと、飼って面倒みないと危ない(命の危険がある)と言われ、仕方なく?部屋でその猫を飼うことになる。
 ここは管理人もいないしバレなさそうだし、と連。
 だが志津子はいつも留守のお隣に、まだ挨拶を済ませていないことを気にしていた。

 朝方の公園、ベンチの下を覗き込むコンビニの袋を提げた人影、ゴミ箱に捨てられた器を覗き込み、聞こえてきた猫の鳴き声にアパートの方を見上げる気配。
 ― この人物が隣の住人で、嫌がらせをする人物だと分かりますね ―

 連は猫にみやげを持ってきたが、どれも実際には猫に良くないものだと志津子に止められる。
 電話の呼び出し音が鳴り志津子が出る。しかし何度呼びかけても返事は無く唐突にそれは切れる。
 志津子がふと下を見ると、公園に少女の姿が。
「あの子、いつも夜中まで遊んでるのよ。大丈夫かしら」
「この辺の子だろ、大丈夫だよ」
 きくりが鞠つきを止め上を見上げる。連も睨むような表情できくりを見下ろしていた。

 夜中に電話が鳴った。時計は午前2時5分を指している。
 志津子はベッドから降り受話器を取るが、昼間のように問いかけても無言のまま切れた。
 だがすぐ電話が鳴り出し無言で切れるということが繰り返され、たまらず志津子は電話のコードを引き抜くと、ベッドに倒れ込み夜具にくるまった。

 「どういうつもりだ?」鞠をつくきくりに一目連が問いただすが「こういうつもりデス」と、ああ言えばこう言う態度を崩さないきくり。
 骨女が服の後ろを掴んできくりを持ち上げると、振りほどこうと暴れだすが、「お前、おいたが過ぎるとお嬢が黙ってないぞ」と一目連に言われた途端、きくりは大人しくなり、恨めしげな顔で一目連を見上げる。
 「お前、お嬢が好きか」「うん」「なら邪魔するなよ」「うん」。骨女がきくりを下ろす。
 だがきくりは捨て台詞を残し、一目連の足を蹴ると走り去っていく。
 甘やかしすぎたな、だが何かあればお嬢がどうにかするだろう、そう言うと三人は、ほぼ同時に同じ方向 ― アパートの一室を見上げる。
 「まだまだこれからが本番だしな」

 志津子の部屋。
 次々と注文した覚えの無い品物が届けられ、そのたびに断るのに志津子は憔悴していた。
 そんな志津子を慰めるように寄ってくる猫に心癒される志津子だが、ガサリという音と共にドアに挟み込まれた紙切れを見つけるが、そこには

 『ネコ|ステロ』

 という文字が書かれていた。
 ここの住人ということだよね、すぐ追いかけなかったの? という連の言葉に「怖くって…」と志津子。
 ― これは解ります ―

 管理会社にも行けない、警察もこの程度じゃ動いてくれない、思わずため息が漏れる志津子だが…

 仕事場?で注意されているらしい志津子。不動産屋にも相談するが先立つものが無い。
 そして部屋へ帰ると、入り口には不在票の山。そして留守電は36件も…

 興信所で調べてもらった結果、犯人は隣室の住人にまず間違いないと判明する。
 そして、隣人への挨拶が送れたこと、興信所で嫌がらせについて調べてもらった結果のこと、訴えるつもりはないこと、引っ越すまでせめて半年ほど待って欲しいことなどをしたためた手紙を、志津子は隣の部屋の郵便受けにそっと入れた。

 その晩、ずっと起きて隣人の帰りを待っていた志津子は、帰宅後の隣人から電話が無いことにほっと胸をなで降ろしたが、突然の猛烈な壁叩きのショックに飛び上がる。

 追い詰められ、地獄通信に隣人の名を送信する志津子。するとあいがすっと現れ、いつもの説明をし、藁人形を手渡す。

 その日志津子が帰宅すると、部屋のドアが開け放され、猫がいなくなっていた。
 必死で猫を探す志津子と連。既に夕方になった公園にいたきくりに猫のことを尋ねると、少女は黙ってアパートの志津子の部屋を指差す。

 自室の前の廊下に置かれたビニール袋。
 それを開けた志津子はその中身が何かを察し、悲鳴を上げる。
 部屋に飛び込んだ志津子は引き出しから藁人形を取り出すと怒りと憎しみのこもった目で一気に糸を引き抜いた―

 だがいつものように「恨み聞き届けたり」の声が響かない。変わりにピアノの旋律と連の姿が。
 隣人を地獄へ送って欲しいと頼んだ、地獄へ送られて当然だと語る志津子に「だろ?」と冷ややかな連。
 そんな連に違和感を感じ志津子が振り向くと、一目連や骨女が次々と、「天城志津子さんの身に起きた恐怖が解るかい? 立花今日子さん」と語りかける。
 「何言ってるの、私が…」と言いかけた志津子だが、鏡に映し出されたのは、紛れも泣く隣人・立花今日子の姿だった。
 思わず立花の目が見開かれていく ―
 きくりが逆さにした袋から、立花が作ったのと同様のミンチが溢れ出し、立花を飲み込んでいく。
 そしてあいの「イッペン、死ンデミル?」。

 地獄流しの船の中、漸く懐いた猫を勝手に連れて行った隣人が許せなかった、と生気なく淡々と語る立花。
「どうして話し合おうとしなかった?」(一目連)
「話し合う? そんなこと考えもしなかったわ」 
 そして「私のたったひとりの友達だった…」と、肩を震わせてすすり泣く立花―

 一方本物の志津子は、糸を解いた後猫の鳴き声に我に返り、その声の主を探す。
 隣室にいた猫を抱き上げ安堵の表情を浮かべる志津子。
 そしてふと顔を上げると、そこにはおびただしい数の猫(ヌル)の写真が壁一面に張られていた。それに圧倒される志津子…

 ふと気付くと、猫はその部屋のドアから外へ出て行くところだった。
 そして志津子の胸には地獄紋が…


 ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆

 志津子が糸を解いた後、いつもの「恨み、聞き届けたり」の声が響かなかったので「?」と思っていたら、今までのそれはターゲットに対するお仕置き(の一部)だったわけですね。

 冒頭の糸引きシーン以外はいつも通りのパターンでしたが、切り口をちょっと捻ったことで、印象が変わって見えました。
 まあ最初から三藁やきくりの登場率が高かったり、「これからが本番」と言って三藁がいっせいにアパートを見上げたりしてたので、何かあるとは思ってましたが、まさかこういうオチだとは読めませんでした。

 今回のことは、個人的には依頼人には非らしい非は感じられないのですが、それでも死後は永遠に地獄で苦しむという、まさに地獄少女の本領発揮の回でした。

 隣人は嫌がらせを続けた後、「ネコ ステロ」と指示すれば、猫は自分のもとに返ってきて万々歳と考えたのでしょうけど、これでは“動物嫌い故の嫌がらせ”と受け取られても仕方ないと思います。

 「話し合うなど考え付きもしなかった」と言いすすり泣く隣人も、ある意味可哀相ではあるのですが、話をしてくれなくては何故嫌がらせをされるのか、何がなんだか分かりません。
 実際に会って話すのが苦手ならば、志津子がしたように手紙でも構わなかったと思うのですが、それも「思いつかなかった」― のでしょうか。
 なんと言うか、隣同士のつきあいの稀薄になった現代を象徴しているようにも思えます。

 そうして志津子が隣室で猫を抱き上げ、部屋中に張られた猫の写真に圧倒されているうちに、猫は外へ出て行ってしまいます。
 つまりこれは、猫にしてみれば人間達が自分を巡って地獄へ送られようが送られまいが、猫自身としては興味も関心も無いという皮肉のように感じられました。

 ところで今回のあいの運送屋姿は、一種のサービスシーンでしょうか。髪を束ね、ざっくりとしたパンツルック?が実に似合ってます。
 そして無表情のまま「お代を…」が、セリフとは。あいにはもっと色んな格好をして欲しいものです。


 さて次回は輪入道の知り合い話でしょうか。
 10話と同じく「恨み、聞き届けたり」のセリフがありませんでしたが、フェイクで地獄送りはあるのか、今度こそ?地獄送りは無いのか気になるところです。
posted by セレネ at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 地獄少女 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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