2007年02月02日

地獄少女二籠 第13話 「Vの惨劇」

 立て続けに起こる連続殺人事件。
 とある焼き鳥屋の店主(喜八)は、主治医の女医(朋子)に入院を強く勧められるが自分より娘を…と言うと女医は押し黙る。
 また店主は、店の常連客同志の会話で「地獄通信」の噂を耳にする。
 その夜そこへアクセスし、ある名前(牧村達彦)を書き込むも、結局送信しないまま店主はその頁を閉じたのだが…



 翌朝早速店の前に現れた3藁たち。骨女は牧村について、輪入道は町へ出て情報収集、一目連・あい・きくりは、店主の店にバイトとして入り込む。

 もう看板が近いのか、あいときくりが店で食事を取っている。
 カウンターに入って常連の相手をしていた一目連は、店主が5年前の事故で妻と息子を失い、なんとか一命を取りとめた娘・椿もずっと意識が戻らず、回復の見込みも薄いことを知る。  

 次の日(?)娘の病室にいた店主は、花束を持ち見舞いに来た一目連を見て驚くが、常連さんたちに教えてもらったんですよ、と一目連は答える。
 「はじめまして。オレ君のお父さんのところで働いている…」と一目連が自己紹介をし始めると、無駄なことは止めろ、と店主が遮る。
 一目連はふと気付いてカーテンを開ける。
 「こんなに若くて綺麗なお嬢さんに暗い部屋は似合わないですよ。諦めたら椿ちゃんが可哀相です。医者が、いや世界中の誰がダメだと言おうと、お父さんだけは信じてあげなくちゃ。親ってそういうものでしょう」(一目連)
 「きいた様な口をきくな」(そっぽを向く店主) 

 警察署の向かいに、輪入道がおでんの屋台を構えている。
 その前で情報交換をする3藁たち。
 あいときくりは屋台でおでんを食べている。あいが注文を出すと、きくりも「ウインナ」と続ける。
 「気の毒な娘さんだねえ」(骨女)
 「読めたぞ、その事故のドライバーが牧村だな」(輪入道)
 だがドライバーは事故の時同時に死亡していた。
 あいときくりが再び輪入道にオーダーを出す。
 牧村についてだが、どこにでもいそうな普通の男で恨みを買うとは思えない、しかも牧村と店主はおそらく面識がない ― というのが骨女の調査結果。
 つまり店主は一度も会ったことが無い男を地獄へ送ろうっていうのか、解せないな ― と呟く輪入道に、あいときくりが再びオーダー。

 向かいの警察署で取材するレポーターは、テレビに映りたい野次馬たちに取材を邪魔され困っていた。
 ちなみに、ここにおでんの屋台を出したのは、警察やマスコミがここにやって来るので情報を集めるにはもってこいだと思ってな、と言う輪入道に、成果は? と骨女。
 それが面白い物が手に入ってな、と輪入道が一通の封筒を取り出す。
 連続殺人事件の捜査資料だが、刑事部長の忘れ物とのことだった。
 更に輪入道に追加オーダーが。
 「こいつは…」思わず一目連が眉を寄せる。「何?」という骨女に一目連はファイルを骨女の側に向けて見せた。
 それは被害者たちの手のアップ写真。どれも人差し指と中指が伸ばされ他の指は折られていた。
 「Vサイン…」「ピース?」「数字の“2”かもしれねえ」
 「いずれにせよ、どれも死後犯人がわざわざこの形にしたんだとよ」(輪入道)
 「変な事件ねえ」(骨女)
 「凶器は竹製の串のようなもの、だって。素直に『竹串』って書けばいいのに」(骨女)
 「竹串…?」(一目連)
 一目連の脳裏に、竹串をうつ店主の姿が浮かぶ。「まさか、な」。
 輪入道にまたもオーダーが入る。だがきくりの注文したウインナはあいのオーダーで品切れになっていた。睨みつけるきくりをスルーして、ウインナに勢い良く?かぷりつくあい。
 ― 「すまねえ、お嬢にだしたので品切れだ」と言われ、あいを睨みつけるきくりが何気に怖かったです…(食べ物の恨みは恐ろしいと言いますしね)。

 病院―
 レントゲン写真を前に、女医は店主にすぐ入院するようにと言う。
 あとどれくらい…という店主の問いに、次に倒れたら…と目を伏せながら答える女医。店主は分かったありがとうと部屋を出る。それを壁の大きな目が見ていた。

 娘の病室に入る店主。一目連がまた来たことを察した店主は「行って来る」と物言わぬ娘に告げると、部屋を出て行く。
 入れ代わるようにその病室に現れたあい、きくり、一目連。
 「喜八さんも病気らしい。それも…」(一目連)
 「あの人諦めてる。まだ早いのに」(きくり)
 「あれは…」「ん?」「あれは… 人を殺める者の顔」(あい)
 何かを察した一目連は急いでその部屋を出ていく。

 夜の高架橋の下。もみ合うふたりの男。
 竹串を持った男の顔が、一瞬電車のライトに浮かび上がる。その光に幻惑され、一瞬その男(喜八)の動きが止まった隙に、もうひとりの男(牧村)は逃げ去る。
 牧村の後を追おうとした店主だが、咳き込んで倒れてしまう。そこに駆けつけた一目連。

 カウンターで自分が殺人犯だと打ち明ける店主。驚かない一目連に、もしかしたら…と思っていたと一目連は答える。
 「でも、どうして…」と訊ねる一目連に店主の回想シーンを交えた答えが。

 事故が起きた自宅兼店舗の惨状を前に、店主はただ立ち尽くしていた。
 現場のテレビレポーターの後ろを、Vサインをしながら笑いつつ通り抜けていく若者たち。その姿に、店主の怒りと恨みの炎が憤怒の如く燃え上がる ―

 事件の被害者達は、あの時騒いでたクソ虫みたいな野次馬共だ、と店主。
 「それで被害者たちの手を」(自分の右手で作ったVの字を見る一目連)
 三ヶ月前、娘の病院の検査で胸に影が見つかり、精密検査の結果手遅れだと診断された。いつか娘が目を覚ますと信じてきたがそれも叶わない、ならば残り少ない命をあのバカ共を消し去るために使おうと決心した ― と語る店主をまた発作が襲う。
 あとひとりというところで顔を見られた、捕まるのが早いか死ぬのが早いか、いずれにせよ自分ではもう恨みは晴らせない、だから最期の望みをこれに託す ―
 そう言うと、店主は迷い無く男の名を地獄通信に送信した。

 その瞬間店主がいたのは黄昏の世界。あいは店主に藁人形を渡し、ルールの説明を始める。
 代償として地獄へ送られると聞かされ、あれだけのことをしたんだ、覚悟は出来ていると答える店主に、「その代償は別」と、あい。
 「地獄へ落ちるのはあくまで地獄流しの代償。あなたが手を染めた罪に対しては、私は一切関与しない」(あい)
 「奴らを殺した罪には、地獄行きとは別の代償が求められる…ってわけか」(店主)
 「多分…」(あい)
 「もしお前さんと契約しなくても…」(店主)
 「人を呪わば穴ふたつ…」(あい)
 「そういうもんか… まあ甘んじて受けるよ。もっとも、こんなボロボロな俺だぜ。代償なんて払えるのかね…」(店主)
 あいの横を一陣の風が吹き過ぎる。

 ハッとなる店主。そこはいつもの店のパソコンの前。
 手の中に藁人形があることに気付くと、店主は躊躇なく赤い糸を引き解いた。
 「恨み、聞き届けたり」

 男(牧村)の周りを取り囲む記者たち。
 「殺人犯の顔を確かに見たんですね」「はい、確かに見ました」
 不意に後ろから野次馬たちに押され、押すなと振り向く男だが、そこにいたのは赤紫のゾンビたちだった。
 押し寄せるゾンビをなんとか振り切ろうと警官に助けを求めるが、振り返った彼は大きなひとつ目、そして燃え盛り話す車輪などに、ますます男は怯える。
 慌てて駆け出すと、今度は炎に包まれる。
 「助けてくれ、聞こえないのか、誰かーーーッ!!」
 炎を背に、レポーターの後ろをVサインを出しまくっていた野次馬たちの姿が消え、レポーター・あいが振り向くと、男に対してVサインをして見せた。思わず息を呑む男。
 「闇に惑いし哀れな影よ… (略)」
 「イッペン、死ンデミル?」(←かなり怒りが込められてるいる感じです…)
 地獄へ流されていく男…

 明け方の病院。
 椿の枕元で「ねえ、どうしたい?」と椿に問いかけているきくり。
 顔を寄せ、何かを聞き取ったらしいきくりは、「わかった」と言うと、椿のベッドに飛び乗ると、その口元に自分の唇を寄せる。
 そうしてきくりの姿の消えた病室では、椿がゆっくりと目を開けていた。

 「あっ、出てきました。連続通り魔殺人事件の容疑者・久住容疑者です」
 車輪付き担架?に乗せられた店主が店から出てきた。
 「これでもう思い残すことはねえ」苦しい息の下、そうひとりごちる店主。
 だが、「久住さん!」と店主の名を呼ぶ女医の声が。
 最前列までやってきた女医は叫んだ。「椿ちゃんが目を覚ましたの!」。
 「何い!?」と目を見開き驚愕する店主。
 「椿! 椿〜〜〜!! うわあああぁぁ!!」と店主は半乱狂になり泣き叫ぶ。

 その姿を塔の上から眺めている地獄一行。
 「復讐なんぞに手を染めたばっかりに」
 「椿ちゃんが殺人犯の娘に。喜八さんも罪なことしたもんだ」
 「これがお嬢が言ってた別の代償って奴なのか。だとしたら悲し過ぎるぜ」(一目連)
 「だがどうして娘は急に目を覚ましたんだ。医者も見離してたんだろ」(輪入道)
 楽しそうに塔の上で足をぶらぶらとさせているきくり。
 「椿ぃぃぃーー!!」胸に刻印を刻んだまま、父親はいつまでも慟哭し続けていた ―



 ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ 

 前期初頭から「老齢、または病気で先が長くない人物が依頼人」になった場合のお話を観たいと願い続けていましたので、ようやく待ち望んでいた回が来た…! …と期待しておりました。
 が、その依頼人は、既に己が地獄へ行くことは覚悟済みという思わぬ展開。しかしさすがは「地獄少女」、期待していたのとは、また別の展開を見せてくれました…



 冒頭のえらく芝居がかった口上と見事な串捌きに、これはドラマか映画の撮影シーンかと思ってしまったわたくしです(「必殺」シリーズかと… ;)。
 そのわりに「カーット」「お疲れ様」等も無く、いきなり翌朝の現場検証に飛んでしまったので、これは本当の事件なのか、まだ撮影の一部なのかが瞬時に判断出来ずに、一瞬混乱してしまいました ;

 3藁たちにしても、たかが一度送信しなかったからといって、すぐに調査にくるものかなあ…と思いましたが、その分恨みの念が強いということだったのかもしれません。

 しかし、あいや一目連が焼き鳥屋で働くのはとにかく、きくりは児童法(?)的にやばいのではないかと思うのですが、誰も何も言いませんね(笑)。
 なので、ここで勝手に想像(妄想)炸裂。
 『父(夫)の死後女手ひとつで育ててくれていた母が病気で入院してしまった。蓄えはあるから大丈夫と言われたものの、少しでも母の負担を減らしたい。だからここでバイトをしたいのだが、妹(きくり)を家にひとりで置いておくのは心配でならない。決して邪魔になるようにことはさせないので、なんとかバイトが終わるまで一緒にいさせて貰えないだろうか』…的な事を言って、頼み込んだのかもしれません。
 尤も、あいがそれほどおしゃべりをするとは考えにくい部分もあるので、一目連が近所、または親戚筋のお兄さんという線で、一緒に面接を受けて、そう事情を説明したんだろうな〜…と、自分的にはそれで納得してます(笑)。

 店主(犯人)が面識の無い人々を、さらには両手の指をVの字にしていた理由が明かされますが、確かにそれでは接点を探し出すのは至難の業でしょうね。
 野次馬は、事件や事故が起こればどこにでも湧いて出るものだと思います。
 ですが時と場合を考えず行動するのは、見ていても痛いというか、少なくとも分別のつく大人のすることとは思えません。
 だからといって地獄へ流されて当然、と一概には言えませんが、恨みを買うほどのことでは無い、とも言えない気がします。

 そして地獄流しの代償としての地獄落ちと、人を殺めた罪に対しての代償はまた別、と言われ、「こんなボロボロの俺に代償なんて払えるのかねえ」と店主が言った時、ああこれは娘だな、代償は娘にくるな…と解りました。

 次に久々(と感じる)のお仕置きコント。
 三つ編みに焼き鳥屋の衣装、レポーターのスーツ姿と、今回はあいちゃんの衣装替えも多めでGJ。

 そしてきくり。
 地獄一行とは別行動で単独で椿の元へ行き、わざわざ「どうしたい?」と訊ねた上でその望みをかなえたわけですが、あいが「『地獄流し』と『他の罪』についての代償は別、そして後者には自分は関与しない」とはっきり言っていることからも、きくりに与えられた能力や権限(?)は、地獄一行のそれらとは明らかに異なっていると思われます。
 そして、あえて地獄一行がいない時に娘の所に行ったのにも、何らか意味があるのかもしれません。

 そして店主。
 容疑者として身柄を拘束されても「もう思い残すことはねえ」と心安らかにあの世に旅立てるはずが、一転後悔してもしきれない状態に… 
 しかもそれは自らが招いた結末という、実に救いの無い展開…


 しかしここで私は思ったのです。
 店主の罪は野次馬たちを手に掛けたことではなく、娘を信じきれなかったことこそが罪なのではないか、と。

 先が無いと知った店主がまず思ったのは、娘が目覚める時、自分がそばにいてやれないという絶望感。そして娘に残していけるただひとつの土産が「恨みを晴らす」ことだと思ってしまったのでしょう。

 でも待って下さい。
 娘が目覚めることを信じられたのなら、自分の死後、娘が後ろ指を指されるようなことは、決して出来なかったのではないでしょうか。
 ここで一目連の「諦めたら椿ちゃんが可哀相です。医者が、いや世界中の誰がダメだと言おうと、お父さんだけは信じてあげなくちゃ。親ってそういうものでしょう」というセリフが重く響いてきます。

 そしてきくりが娘に「どうしたい?」と訊いたのにも、意味があると思います。
 もし娘がこのままの状態、または死を望んだのなら、きくりはその望みを叶えたのかもしれません。
 けれど娘は「父と共に生きたい」「目覚めたい」と望んだのでしょう。
 それが娘の本意、心の声。
 それを父親は聞き取れなかった… 己れの死を目前にして、娘を信じるより自分の憎しみを優先させてしまった… 

 確かに、5年間意識が戻らず、今後回復の見込みの薄い娘を見ているしかない親の気持ちは、当事者でなければ解らない部分も多いと思います。

 でも、それでも―
 最期の最期まで希望を捨てずにいて欲しい。信じてあげて欲しい。
 そういうスタッフのメッセージが込められているように、自分には感じられました……



 さて次回は、色々と相反する感情が渦巻いてる少年が依頼者のようです。
 きくりが予告なだけに、糸を引くのか否かも曖昧なままで、それはそれなりに楽しみだったりします(笑)。

posted by セレネ at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 地獄少女 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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