2007年02月16日

地獄少女二籠 第16話 「悪女志願」

 夜の京都の小路。
 左右に女性をはべらせた男・手島が、眼鏡を掛けた地味な女性・蘭に対して、愛してると言ったのはお前のところの会社の情報が欲しかっただけ、そうでなければ鈍くさいお前なんぞとつきあうか、と侮辱するかのように大声で言い放つ。思わず立ち止まる道行く人々。
 蘭の手の中には、赤い藁人形が握り締められていた ―

 赤藁姿の骨女はそんな男に腹を立て、何か言い返してやりなよ、と人形の姿のまま蘭に訴えかけるが、無論通じるはずが無い。
 蘭は帰りかけた男に、せめて社長の借金の肩代わりをしてくれるよう頼むが、一蹴されてしまう。
 もうお人形さんに頼むしかないのかな…と赤藁の糸に手を掛る蘭だが、ひとりの和服女性・マツに、それでいいのかと声を掛けられる。
 マツは手島に株で酷い目に遭ったので、一緒に仇討ちしないかと持ちかけ、半ば強引に蘭を引き込む。

 マツの家に上がった蘭はマツに、あんたが色仕掛けで手島から慰謝料を取るんだよ、と言われる。
 とても自分には無理だと尻込みする蘭だが、社長の借金のことを出され、断れなくなってしまう。

 蘭に化粧を施し、化粧は男を騙す武器という言葉に、過去を思い出す骨女。
 騙されたなら騙し返さな、と言い置くと、マツは服を取りに奥の部屋へと入っていった。
 赤藁を手に、鏡に映った自分に目を見張る蘭。
 「私、マツさんの言うとおりにしてみようと思うの。もしかしたら私、強く逞しく生まれ変われるかもしれない…」と言う蘭に、その気持ちは前向きでいいんだけど…と、心配気な赤藁。
 マツが服を手に戻ってきた。知り合いの物だ、と蘭に服を当てるマツを、赤藁は信じていいものか不安を感じていた。

 そうして街へと一歩踏み出した蘭は、男達の視線を集めていた。蘭に見とれ、ぼーっとなる男たち。銀行で口座を開こうと手続きを頼んだ時も同様である。
 そんな蘭を、輪入道と一目連が見ていた。
 綺麗になったな、と感心しきりの輪入道に対して、オレは素顔の方がいい、と一目連。
 お嬢は化粧はしないのかい、という輪入道に「必要ない」と答えるあい。

  ― あいちゃんは素肌(素顔)美少女だから、確かに「必要ない」のだけど、それ以上に「感心無い」が近いのかも…?

 あるバーのカウンターで、携帯電話を手に凄むように怒鳴り散らす手島。
 そこへ蘭が入ってきて、少し離れた場所のカウンターに座った。
 すぐさま携帯を切ると蘭の近くに座った手島は、蘭に誘いをかけてくる。
 手島が自分が蘭であると気付いていないことに意を強くした蘭は、手島とタクシーで何軒もバーやスナックをはしごする。
 ある店で酔いどれた手島にわざとカップの酒をこぼすと、服を拭くふりをして、こっそりと手島の携帯をすり取った蘭は、尾行していたマツとトイレで落ち合い、携帯を手渡す。
 マツは「お疲れさん、後は自分に任せとき」と言うと、トイレを出て行く。
 ほっとした蘭だが、鏡に映るきくりに気付きぎょっとする。
 「おばちゃん、けばいわ。ほんま、けばいわ」そう言いながら、蘭の足元を1〜2周駆け回り、きくりは出て行った。
 「けばい、か…」蘭は鏡に映る自分の顔を見た。「ホント、けばいですよ…」

 一方携帯を操作し、手島の預金全額を(自分の?)口座に振り込むマツ。
 マツから携帯を受け取った蘭は、手島をタクシーに乗り込ませる際に乗じて、それをこっそりと返しておいた。手島は何も知らずタクシーから手を振っている。
 「成功やな」とマツ。
 タクシーを見送って「あんな奴のために何を思いつめていたのかしら私…」と赤藁を見つめる蘭。

  ― 携帯を返す時、蘭は自分の指紋を拭きとっておかなくていいのかな… もし調べられたら言い訳出来るのかな…と、ちょっと気になりました。

 先日口座を作った銀行に出向き、解約の手続きを申し出る蘭の耳に、手島が横領容疑をかけられたというニュースが飛び込んでくる。大勢の債権者たちにもみくちゃにされる手島。
 (いい気味。すっきりした)と蘭。
 だが赤藁は(これで終わればね…)と一抹の不安を感じていた。

 マツの家。
 札束がぎっしり詰まったトランクを前に、山分けしようと言うマツに、自分は社長の(借金)分だけでいいと答える蘭。
 (思惑通り、だろ)と呟く赤藁だが、それは駄目だと強く言うと、とにかく半分づつや、とマツは札束を分けていく。

(ここで何故か画面が数秒ぷつんと切れてました ; 何が起きたかのかその部分の確認が不可能でした…)

 マツの店。
 裏口で蘭と会ったマツは、ふたりの関係をおおっぴらには出来ないから…と蘭に謝るが、赤藁は(ここは怒るところだよ、蘭ちゃん!)と聞こえぬながら訴えるが、蘭は一向に気にしていない様子。
 仲居に呼ばれ、マツと蘭はそこで別れる。

 店の庭での大掛かりなパーティー。
 「新しい旦那でも見つけたのかな」「まさかあの年齢(とし)でそれは無いだろ」
 「本人もそれは分かってたから澄江ちゃんと組んでたんだろ。今何してるのかな」
 「祇園で店出したとか」「いや東京で…」 …と、様々に噂する招待客たち。

 お金の使い道を考えながら橋を渡っていた蘭は、一組のカップルにカメラのシャッターを押すよう頼まれ、自分にもいい人が出来るかな、と赤藁に話しかけていた(聞こえないながらも、大丈夫だよと励ます赤藁。)

 夜。アパートで、残額は寄付することに決めた蘭。
 赤藁に「あなたが励ましてくれたおかげで私生まれ変われた。これからもよろしくね」と話しかける蘭に、嬉しげに答える(蘭には聞こえない)赤藁だったが、蘭が少し席を外した隙にアパートから回収される。

 仲間の元へ帰った骨女は、「引き上げるよ」とあいに言われ、遠くから蘭の幸せを願っていることを星空に語りかける。えらく入れ込んでるな、と輪入道。
 だが赤藁が回収されたのは蘭の恨みが消えたからではなく、ターゲットがいなくなったからだと聞かされる骨女。

 蘭のアパートに息を切らしてマツが飛び込んできた。マツに言われテレビをつけると、手島の自殺が報じられていた。
 どうしよう…と動揺する蘭に、私ら共犯者やな、とマツ。札束もきっちり半分づつやしな、と。
 (そうか、私、利用されていたんだ)と気付く蘭。
 マツは蘭の動揺を無視して喋り続ける。
 (お金なんでどうでもよかった。私が望んだのは手島さんを地獄へ流すこと。もしかして、その望みが叶ったからお人形さんはいなくなったの? だとしたら手島さんは私が―)
 マツの話を遮り、自分は自主すると伝える蘭。
 マツのことは決して話さないと約束する蘭だが、マツは世の中綺麗事では済まないよ、特に女はね… あんたを騙してたことは謝るから仲直りしようと手を差し出すが、蘭はそれを拒否する。
 マツは、かつて目をかけた女性が自分を出し抜こうとしたこと、だから今度は大人しい蘭に声を掛けたのに上手くいかないな…と一人語りした後、懐中からすらりとした小刀を抜く。
 今更自主を止めると言っても信用しない、人間なんて信用出来ないんだよ特に女はね…そう言うと殺気走った目で小刀を蘭に向けるマツ。恐怖に足が竦む蘭。

 女性の死体が発見されたという記事を見せられる骨女。それは無論マツの仕業。
 どうして教えてくれなかったのかと怒る骨女に、教えても彼女に教えられないだろうと輪入道は答えるが、彼を突き飛ばし骨女は蘭のもとへ駆け出していく。

  ― 元・車輪に掛けてあるのかどうか知りませんが、輪入道が見事に縦に転がっています。「あいててて」のセリフがまたよい感じです。

 蘭の部屋に駆け込む骨女。だが時既に遅く、彼女はマツに刺され倒れていた。蘭を抱き起こしその名を呼ぶ骨女。
 救急車を呼ぼうとするが止められ、逆に誰なのか誰何され、悲鳴が聞こえたから…と慌てて誤魔化す骨女。
 「私… 利用されてた…」その言葉にはっとなる骨女。水中へ沈む骨女らしき女性と、橋の上からそれを見ているらしきふたつの影が水面に揺れる…
 人は何故こんな酷いことするのと問う蘭に、あいつらは人ではなく鬼さ、と答える骨女だが、鬼なら地獄へ返さなきゃ…とパソコンを指差す蘭に戸惑いを隠せない。
 あんたも地獄へ行くんだよ、と言う骨女だが、仕方ない自業自得よ、それにあの人が罪のない女性を騙すのを止めなくちゃ…と蘭。

 残る気力を振り絞り、地獄通信にアクセスしマツの名前を書き込む蘭。送信が終わるとあいが現れ、赤藁となった骨女を手渡す。
 「お人形さん、やっぱり貴方にお願いするしかなかったみたい」糸はその場ですぐ解かれた―
 「恨み、聞き届けたり」

  ― このセリフが、実に感情というか情念がこもっていて、骨女の無念と怒りが伝わってきます…

 そして久しぶりのお仕置きコント。
 刀を持った男達に追いかけられたり、ゾンビ姿の恨みを持つ人々が寄り集まってきたりと色々と懲らしめられるマツ。
 そしてあいの「闇に惑いし哀れな影よ〜イッペン、シンデミル?」
 地獄行きの船の中では、マツはすっかり正気を失っていた…

  ― 牛若丸姿のあいがなんとも云えず綺麗で清楚です。和装で男装姿のあいちゃんもいいものですv
 そして輪入道と一目連も新撰組のコスチューム。このふたり楽しんでますな。
 ですが、一番マツが堪えたのは、きくりに札束の入った鞄(トランク)を巻き取られたことでしょう。「泥棒!」…ってアナタ、「盗人猛々しい」という言葉が浮かんでしまったのは、自分だけではありますまい。
 そして「鬼のあんたにゃ地獄がお似合いさ」「お似合いさ」と言った時の骨女の表情。今までに見たことのない表情からも、マツへの怒りが大きいことを示していたと思います。

 その後。
 アパートで蘭の眼鏡を外し、目を閉じさせる骨女。
 「蘭ちゃん、恨みは晴らしたよ」
 「解ってると思うが俺たちは…」(輪入道)
 「解ってるさ、わかってるけど…今は放っといてくれ」
 そういって立ち上がり歩き出すと、骨女は最期に淋しげに蘭の方を振り向いた…


☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆ ― ☆

 ハードな話が続いた後のせいか、ややインパクトに欠けた気はしますが(マツが余りに悪役そのものなので、先が読めてしまったせいもあると思います)、藁人形姿の時の骨女の心の声や表情が画面に現れるという新手法や、骨女の過去が垣間見えたりと、それなりの見せ場はあったと思います。
 骨女は姉御肌な部分もある感じですね。

 蘭はじれったいほどのお人よしで、そもそも手島を地獄へ流したいほど本当に恨んでいたのかもちょっと疑問なのですが、地獄通信にアクセス出来たということは恨んでいたんでしょうね…(すっきり納得出来ない気もしますけど…)。

 また、前期から『老齢、または病気で先の(長く)無い人が依頼者』になった場合の話を期待していましたし、今期13話でそれは出てきてくれましたが、今回は「死の寸前」という、これまでに無いほど切迫した状態での糸解きとなりました。

 預金を全額横領し振り込んだのが、蘭が新設した口座という可能性もありますから、自主した蘭が犯人と断じられる可能性もあるかと思いますが、それでもし前科者になってしまったとしても、蘭にはまだ未来はあったのではないかと思います。なにしろ若いんですし、何より性格がいい(良過ぎる)のですから…

 死は不可避(現世の未来を閉ざされる)としても、そのままだったら蘭のような人のいい人物が地獄へ行かされる可能性は低いように思います。
 それでも彼女は自分のことよりも、他の女性達が騙されるのを防ぎたいと、自分が地獄へ行くのは自業自得だと、どこまでお人よしなんだろう…と、やるせなさと同時にある意味別の怒りを感じなくもなかったですが……

 まだまだ人生を楽しむ余地のあった若い命を散らしただけではなく、殺されて絶命して即永遠の地獄責め… 非は無いに等しい人間でも容赦なし…
 本当に、ここでもここまで救いの無さに手を抜かないのは、さすがに地獄少女ですね…


 さてさて。
 次回は一目連の過去と、お嬢に出逢うまでが織り混ぜられたお話になるようです。
 そして現代では、セミショートの女性が依頼人…?
 色々と期待出来そうです。


posted by セレネ at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 地獄少女 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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