2007年06月09日

少女コゼット 第8話 「おかあさんのスカート」

 第一話以来の感想になりますが、毎回楽しみにしている作品のひとつです。
 アニマックスでの視聴なのでBSフジより話は遅れていますが、観られるだけで感謝です。

 今回は怒涛の第9話の感想です。

 仕事を探し、あちこち歩き回るファンティーヌですが、ある家を訪ねた際、パンを持っていくように言われますが、それを振り切ります。
 「施しをやりたくなるほど、(自分の身なりは)みすぼらしく見えたのかしら」と思うファンティーヌ。
 ― その人に悪意は無く、むしろ好意に近いと思うわれることでも、それが相手のプライドを傷つけることになるということを、よく考えるべきだということなのかもしれません。

 その頃工場では、ファンティーヌがアパートを追い出された、酷い格好で歩いているのを見かけた、等の噂話が。ファンティーヌの秘密をバラした工員は、やや俯きがちに。
 そんな悲惨なことになってしまうとは思っていなかった…と、自分のしたことを悔いているのかもしれません。

 ティナルディエからの手紙で、10フランを送金しなければならなくなり、最後の手段として髪を売りに行くファンティーヌですが、店主にじゃあ7フランで、と言われ、10フラン必要なんです! とファンティーヌが叫んだ時には、それまでの話の流れ(質屋での一件参照)から、「7フランで嫌ならほかをあたりな」になるかと思いきや、言い値の10フランで買い取ってくれました。
 この人の出番はもう二度と無いでしょうが、自分的には「いい人」として、かなり高感度が上がりました(笑)。

 ファンティーヌが自分のためにスカートを送ってくれたことに、嬉しさをかみ締めるコゼットですが、そのスカートはアゼルマが横取りといういつものパターンに。
 10フラン請求して、すぐにスカートを送ってきたということは、金はある−と、更にファンティーヌから搾り取ることを考えるティナルディエ夫婦。
 全くこの夫婦にして親子ありで、これではまともな子供が育つわけがないと思うと、ここの姉妹には同情してしまいます。

 ティナルディエからは、これ以上送金が遅れれば、コゼットをよそへやるしかないという催促の手紙が。
 これがどれほどファンティーヌを追い詰めていったか、ティナルディエ夫妻は知らないでしょうし、知ってもだからどうしたというスタンスでしょうね…

 そうして、ファンティーヌは魚市場で働くように。
 日雇いの肉体労働はかなりきついと思いますし、お針子としては、指先の荒れるこんな仕事はしたくない(というより厳禁では?)と思うのですが、なにしろ仕事を選んではいられないのでしょう。

 帰りには、魚市場の処分品らしきお下がり?をバケツに分けてもらい、今で言うホームレスの溜まり場へと戻るファンティーヌ。
 このおすそ分けは、他のホームレスたちの貴重な食料の一部らしく、それはファンティーヌの密かな誇りになっていたと同時に、仕事を回してもらう潤滑油にもなっていたのかもしれません。
 夕方からの花売り場の手伝いの仕事を斡旋されるファンティーヌですが、この時既に声が枯れ気味で良くない咳が出ていたりと、身体が蝕まれているのが伝わってきます。
 やはりちゃんとした部屋住まいだった身には、ホームレス暮らしはきついのでしょうね。

 花売りの仕事の賃金を受け取り、5フランだけでも早く送ろうと郵便局へ急ぐファンティーヌですが、ひったくりにお金を奪われてしまいます。
 警察へ行って訴えても、そのみすぼらしい身なりから、まともに取り合ってもらえず、追い払われてしまいます。
 ― 「物乞い」と決め付ける警官もどうかと思いますが、現金を手に持って通りを歩いて(駆けて)いれば、おのずと目を付けられるでしょう。こればかりはファンティーヌの不注意と云わざるを得ません。
 『泥棒は、いつも見ている、狙ってる』のですから…

 ホームレスのキャンプ?に戻ってきたファンティーヌは、この中に手引きをして者がいると思い込み、心配してくれるおばさんの手を振り払うわ、花売りの仕事を紹介してくれたおじさんを疑うわと、疑惑の塊になってしまいました。
 こうなると、もう誰のどんな声も届かなくなってしまってるのは明らかです。ある意味、病人と同意語でしょう。

 さて一方アランは、街角で子供たちにパンを配っていましたが、ファンティーヌに気付き、パンを差し出しますが、それよりも手紙代が欲しいとファンティーヌ。
 パンに群がる子供たちに倒れたファンティーヌを心配するアランに、自分がこんな目に遭っているのは市長のせい、市長が工場から自分を追い出したせいなの、と恨めしげに語るファンティーヌに、アランは市長はそんな人じゃないと反論。
 しかしファンティーヌは道を走っていく少年を泥棒と勘違いし、後を追って行きます。
 どう見ても別人ですが、もうそのあたりの区別すら出来なくなっているあたり、かなりの重症です。壊れてるといってもいいかもしれません。
 もし今のファンティーヌの前に「地獄通信」が現れれば、間違いなく市長の名を送信しているでしょう。

 アランからの報告を受けた市長は、工場の責任者の言葉を思い出し、彼女の元へ向かいます。

 一方ティナルディエ家では、送金の途絶えたファンティーヌ腹を立て、コゼットは捨てられたんだと、一家ではやし立てます。全く、趣味が悪いというか、意地悪の権化ですね…
 ですがコゼットは、「絶対にそんなことない、お母さんは必ず私を迎えに来る!」と、大声で大反論。思わずおかみが気圧されてしまうほどの迫力です。 

 ガブローシュは、もしここを追い出されたら、一緒におかあさんに会いに行こう(探しに行こう)と言いますが、コゼットはここでお母さんが迎えに来るのを待つ、きっともうすぐ来てくれる…と答え、星空を見上げます。

 今までどれほど辛い目に遭っていても、これほどの勢いでティナルディエ夫婦に反論することは無かっただけに、コゼットがどれほど母の愛を信じ、支えにしているかが伝わってくるエピソードでした
 見方を変えれば、むきになってるとも取れますが(それもある意味間違いではないと思いますが)、それほどコゼットにとっては、母が必ず迎えに来るという約束が支えになっている証拠ではないかと思います。

 そして「ここでお母さんを待つ」というのは、「もし入れ違いになってしまったらお母さんが困る」という意識(考え)もあってのことかもしれません。
 更にもう少し突っ込んで考えてみれば、「今、どこにいるのか分からない母を捜しに行くのは無謀」という考えがあるのかもしれませんが…

 なんにせよ、これほど母を信じているコゼットのけなげに・純粋さは胸を打ちます。
 対してティナルディエ一家の腹黒さ・卑しさは対照的ですね…(まあこの手のいびり役は必要不可欠と言われてしまえばそれまでですが…)。

 そして工場責任者と市長との問答開始。
 クビにしたのは嘘をついて就職したから、と答えた工場責任者に、何故嘘をついたのか訊ねたのか?と市長。責任者は、(ファンティーヌは)他の工員との折り合いも悪く…と答えてましたが、それ、肝心の質問の答えになってませんよ。誤魔化してるなあ…と感じました。
 そして外は雪が降り始め…

 肩を組んで陽気にはしゃぐ酔っ払いの前に現れた、すっかりやつれたファンティーヌは、ふたりにお金を無心します。
 が、ふたりはそんなファンティーヌを冷たくあしらったのみならず、咳き込んだファンティーヌの背中に雪球を押し込み、その冷たさに七転八倒する様子に大笑いして去っていきます。
 そんなふたりの姿に、ファンティーヌの身体が怒りで打ち震え、そばにあった掃除道具(箒?)に手が伸びていきます…
 ― 「酔っていたら許される」という風潮がわが国にもありますが、こういうのを見ると、怒りがふつふつと湧いてきます。
 ファンティーヌがおそらく酔っ払いにするであろう報復は、それでも刑罰の対象になってしまうのでしょうけれど、一方的にファンティーヌのみが悪者になってしまうのは、自分としては、気持ち的には納得いかないものがあったりします。

 雪の中、(ファンティーヌの姿を探して?)街を駆けていたアランは、警官が駆けて行く姿を見てそちらへ走っていくと、そこには警官たちに取り押さえられたファンティーヌの姿が。
 引っ立てられ、放して…! と狂ったように叫ぶファンティーヌの姿に、アランはただ呆然とそれを見送るばかり…


 ☆ ‐ ☆ ‐ ☆ ‐ ☆ ‐ ☆ ‐ ☆ ‐ ☆


 総じて、「ファンティーヌ暗黒転落記」と云えるような展開の回でした。
 最初は施しされることに屈辱を覚えていたファンティーヌが、最後には物乞いになってまでお金を得ようとする変わりぶりが見物というか、哀れというか…

 もっとも、出会ったアランに愚痴った?おかげで、少し光明も見えた感も同時にありましたが。
 とりあえず、これでジャン・バルジャンとコゼットを繋ぐ点と点が線になりつつありますね。

 次回は、ファンティーヌが市長によって助けられるような感じの予告だったので一安心かな、と思いつつも、ティナルディエがまた何か姦計を巡らすようで、なかなか安心出来ません。
 この金の亡者たちか毎回何をやらかしてくれるのか、楽しみな方もいるのかもしれませんね…
posted by セレネ at 19:13| Comment(0) | TrackBack(1) | 少女コゼット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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レビュー・評価:レ・ミゼラブル 少女コゼット/第8話『お母さんのスカート』
Excerpt: 品質評価 13 / 萌え評価 13 / 燃え評価 3 / ギャグ評価 3 / シリアス評価 58 / お色気評価 3 / 総合評価 16<br>レビュー数 29 件 <br> <br> 工場を首になってから仕事の見つからない..
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Tracked: 2007-08-09 16:11
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