2007年07月21日

少女コゼット 第14話 「ふたりだけの旅」

 荷馬車に乗せてもらったコゼットとマドレーヌ。
 コゼットは楽しそうにカトリーヌに話しかけている。
 だが途中、髭と帽子の男が同乗することになるが、その容貌はティナルディエを彷彿とさせるものだった。
 その姿に怯えるコゼットは…




 そんなコゼットの様子に、マドレーヌは荷馬車を降り歩き始める。
 大丈夫、ティナルディエは追ってこない、万一追ってきても、歩いたり馬車を乗り継いだりしていれば、探し出せないから…と語りかけるマドレーヌに、コゼットはやっと笑顔を取り戻す。

 歩きながら、お母さんはパリにいるの、とコゼットに尋ねられ、黙ってしまうマドレーヌ。
 その時、教会の近くにさしかかり、葬式にいきあうふたり。
 (参列者は)皆黒い服を着てると言うコゼットに、悲しみの気持ちを表しているんだよ…とマドレーヌは答える。思わず自分の着ている服を見るコゼット。
 マドレーヌは行こう、とコゼットを促す。
  ― どうやら、黒の服が喪服の意味を持っているというのは当たっているようです。

 ある町。
 レンガ塀の近くの草原で、コゼットは花を摘んでいる。
 マドレーヌは店で食料を買い、コゼットの元へ帰ってくると、コゼットはこうしてガブローシュやシュシュと過ごしていたことを話す。
 寂しいかと問うマドレーヌに、カトリーヌがいるから寂しくないとコゼットは答える。
 日陰のその場所で食事をとるコゼットたち。だがコゼットは、マドレーヌは一向に食べようとしないことを気にしていた。マドレーヌはまだお腹が減ってないだけと答える。
  ― ひょっとして、今後のことも考え、節約なのでしょうか? それともダイエット?(恰幅がいいと目立つので、少しでも痩せようとしているとか…?)。
 またコゼットは手を洗ったのでしょうか。それとも濡れタオルで拭いたとかは… 素手で食べ物に触れているだけにちょっと気になります。

 食事が終わり、歩き出したふたりだが、警官が自分の人相書きを持って町の人に聞き込みをしている場面に出くわし、マドレーヌはとっさにコゼットを抱きかかえ路地に飛び込む。そんなマドレーヌを訝るコゼット。
 (こんなところまで… このまままっすぐパリに向かうのは危険だ)と、考えるマドレーヌ。

 ふたりは崖を登ったり、森の中の川を渡ったり、野原を横切ったりして進んでいく。

 夕暮れ。
 原っぱを歩いていたふたりだが、コゼットの歩みが遅くなる。どうやら足に何か原因があると見て、マドレーヌがコゼットの靴を脱がせ状態を見てみると、マメが出来て潰れていた。
 こんなになるまで…とマドレーヌが言うと、いつも靴を履いていなかったから、でもすぐ慣れるとコゼットは笑って返す。
  ― 片足で立たせたままで、靴下まで脱がして傷の有無を確かめようとすると、バランスを崩して倒れそうな気がするのですが、大丈夫でしたね。

 森の中、冷やした布でコゼットの足を冷やし、痛かったら我慢しなくていい、お腹がすいた時も疲れた時も…と言うマドレーヌだが、いつも沢山仕事してたからこれくらいなんでもないと答えるコゼット。
 それにもうすぐお母さんに会えるから…と夢見るように語るコゼットに、マドレーヌは切なげに顔を伏せる。
 そしてコゼットに話さなければならないことがあると言いかけるが、突然雨が降り出し、ふたりは山小屋に駆け込む。

 そこで火を起こすことに成功したマドレーヌは、コゼットに服を乾かすように言い、食事をするようにとも言う。コゼットは火のそばに寄り、マドレーヌの作ったチーズ乗せパンを美味しそうに食べる。

 モンフェルメイユ村で、マドレーヌの人相書きを手に、マドレーヌを探すジャベール始め警察の一行たち。
 手掛かりを掴めない中、預かっていた娘を攫われたと騒ぐ夫婦がいると聞き、ジャベールはそこへ向かう。たまたまその話をこぼれ聞いたガブローシュとシュシュ。

 机の上の沢山の借用書を前に、頭を抱えるティナルディエ夫婦。
 そこへ警官と共にジャベールが現れる。
 犯罪者を追って来た、こいつを見たことはないかと、警官は人相書きを見せる。
 おかみはこいつに間違いないと答え、そこへやって来たエポニーヌ達も同意するが、ふたりは奥に行くように言いつけられる。
 娘同様に可愛がっていたコゼットが今どうしてるか心配で…と、泣き真似をする夫婦だったが、そこへやってきたガブローシュが、コゼットは攫われたのではなく自分の意思で付いていったのだから、連れ戻さないでとジャベールに訴える。
 それを誤魔化し、ガブローシュを追い出そうとするティナルディエだが、今まで散々コゼットをこき使ってきたくせに、とガブローシュも引かない。
 おかみは胸元から委任状を取り出しジャベールに見せる。
 (これは…ファンティーヌの委任状 ―)
 金は受け取ったのかと問うジャベールに、それが金も寄越さない、とんだ食わせ者ですよ、とおかみが答えると、それは良かったなという思わぬジャベールの言葉に、おかみは驚く。
 正式な委任状があるということは、攫われたのではないということ、もし金を受け取っていたら、子供を売った罪でお前らも逮捕されるところだった、と。
そう言われ、愕然とするおかみと、悔しさを滲ませるティナルディエ。
 (あの犯罪者がファンティーヌとの約束を守ったというのか。
  いや、奴のことだ、何か企んでいるに違いない)
  ― どうしてもジャベール警部は、マドレーヌを「悪者」にしなければ気が済まないようです ―

 雨宿りの小屋の中、食べなさいと、マドレーヌからビスケットを受け取ったコゼットは、くすくすと笑う。それは何でも出てくる魔法の鞄で、おじさんは魔法使いみたい、と楽しそうに語る。
 ティナルディエ家から助け出してくれたし、カトリーヌをプレゼントしてくれたし、お腹がすけば食べ物を出してくれるし…と言いながら、コゼットは眠ってしまう。
 コゼットを寝床へ運び、毛布代わりのもの?を掛けると、マドレーヌはコゼットの小さな手をそっと握った。
 (そうだ、ファンティーヌが天に召された時も、私はこうして手を握りしめていた。
  だが私はコゼットが一番望んでいた母親と会わせてやることが出来なかった…)

 夢の中、おかみに責め立てられるコゼット。逃げても逃げ切れず、皿を割ったことで更に責められ、追い詰められる。
 「コゼット、コゼット」
 うなされるコゼットを起こそうと、コゼットを揺り動かすマドレーヌ。
 ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返すコゼットは、漸く目覚めると、助けを求めるようにマドレーヌの首に抱きつく。
 ここにはもうおかみさんはいない、大丈夫だよ、とマドレーヌはコゼットの髪を撫で落ち着かせる。
 辛い思いをしてきたんだね、ここにはおかみさんはいない大丈夫だよ。これからは私が君を守るよ、そうお母さんと約束したんだ…
 そのマドレーヌの言葉に何かを感じたコゼット。
 「おじさん… お母さんはパリにいるの?」
 その言葉にマドレーヌはコゼットを抱きしめていた手を緩め、コゼットの顔を正面に見ながら言った。
 「よく聞いておくれ。お母さんはもういないんだ」
 「いない…? どういうことなの」
 「お母さんは神の国に召されたんだ」
 「……」
 「最後までコゼットのことを気に掛けていたよ」
 コゼットは何も答えず、カトリーヌを抱き上げると、窓を見上げて言った。
 「そう… だから私は黒い服を……」
 この言葉に、はっとして思わず顔を伏せるマドレーヌ。
 マドレーヌはコゼットの前に回ると、腰を落とし、その小さな手のひらにファンティーヌのペンダントを乗せた。
 「これはお母さんが肌身離さず大切にしていたものだ」
 「…… おじさん、持ってて」
 コゼットは手(のひら)を返すと、マドレーヌの手にそれを渡した。
 「コゼット?」
 コゼットはカトリーヌを抱いたまま窓辺に歩み寄る。月の光の下、コゼットは静かに子守唄を歌い始める。その声には涙が滲んでいた…

 一方、ワーテルロー亭では、ファンティーヌが死んだと知り、おかみは呆然となっていた。借金抱えてこれからどうすれば…と頭を抱えるおかみ。
 泣き寝入りなんかするか、この借りは何倍にもして返してやる、とティナルディエは復讐を誓う。

 モンフェルメイユ村以降のマドレーヌの足取りが掴めない警察一行。
 ジャベールは、マドレーヌの行方についての考えを巡らしていた。
 田舎では他所者は目立つ、だとしたら犯罪者が身を隠すのはパリ―
 パリに通じる道をしらみ潰しにしろ、と命じると、ジャベールも馬車でパリへと向かう。

 夜明けの草原を歩いていくマドレーヌとコゼット。
 雲間から陽が射していく―
 (ファンティーヌ、どうか見守っていてくれ。私は命に代えても君の娘を守っていこう…)
 朝日の中、誓いを新たにするマドレーヌ…


  ★ ― ★ ― ★ ― ★ ― ★ ― ★ ― ★ ― ★ ― ★ 
 マドレーヌがとうとうコゼットに、母・ファンティーヌの死を伝えることが出来たのが、今回の山場だったのではと思います。
 そしてもうひとつ、ジャベールがティナルディエ夫婦と出会ったというのも。

 鬼夫婦の下から助け出されたものの、その傷は深く、リアルでも夢でもティナルディエやおかみが追ってくるというコゼットの現実には胸が痛みます。
 平気な顔をしていても大丈夫と言っていても、まだまだ小さい子供で、5年間?もこき使われてきたのですからね…

 マドレーヌに母の死を伝えられたコゼットは泣きませんでしたが、葬式の際の黒い服や、これからは君は私がを守るというマドレーヌの言葉から、薄々何か感じていたのかもしれません。
 それと同時に、まだ母の死を実感出来ていないのかも…という気がします。実感というより、受け止め切れていないというべきなのかもしれませんが…
 何かのきっかけで枯れるほど泣き続けることが出来れば、いくらか気持ちの整理がつくのでは…と思っていますがどうなのでしょうか。
もしくは、これはおじさんが持ってて、とマドレーヌに母のペンダントを返しましたが、これを受け取ることが出来る日が、コゼットにとって(母の死に対する)気持ちの整理が出来たということになるのかもしれません。

 それにしても、食事をまともに摂れるようになったコゼットですが、今までの生活で胃が小さくなってしまっているのではと思っていましたが、そうでもなかったようです。
 お腹がすけば十分に食べられるというのは幸せなことですね。
 でも急に十分食べられるようになると、逆に調子がおかしくなったりしないかと、余計な心配をしてしまってますが(苦笑)。

 余計と言えば、行きに使った馬がどうなったのかは、結局謎のままでした。まあ返しに行くわけにもいかないのは分かってましたから、多分放置になるのでしょう(笑)。

 そして泣き寝入りはしないというティナルディエ。
 宿のことはおかみと娘達に任せて、マドレーヌを探し出しにでも行く気でしょうか。
 取らぬ狸の皮算用で、勝手に借金の額を膨らませたティナルディエたちの方が悪いと思うのですが、逆恨みもいいところです。
 一応?養育費と今までのお礼ということで、200フラン受け取っているのですから、全くの不義理ではないのに、心底欲が深いです。
 ジャベールら警察だけではなく、ティナルディエの蛇のような?ねちっこい追跡者(ある意味、こっちの方がしぶといのかも)からも逃れなければならないとなると、精神的にもかなり苦しくなるでしょうね…

 そして今回、コゼットとマドレーヌが「手を繋ぐ」(繋いでいる)シーンが多かったのも、個人的には注目でした。
 コゼットを心から案じるマドレーヌ、それを感じるコゼット、ふたりの心の距離が表されていたと思います。

 ところで自分は、まずはマドレーヌは、コゼットをマドレーヌの町に連れて行くのかと思ってました。例え遺体とはいえ、ファンティーヌに会わせてやりたいのかな…と。
 しかしよく考えれば、追われる身で、しかも網を張られているであろうその街へ帰ろうというのは、無理な相談ですよね… ;
 それにコゼットにとっては、別れた時のままの、美しい母のイメージが壊れなくて良かったのかもしれません…

 それにしてもマドレーヌの人相書き、余り似ていなかったと思うのですが…
 年齢もちょっと違うような気もしますし、極悪人ぽく描かれているようですし、これを見て「間違いない」とすぐ分かってしまうおかみは、ある意味凄いと思えてしまいます。

 そして次回は、パリかどうかは分かりませんが、大きな街へ着くようです。
 女の子を連れたおじさん(見る人によっては初老?)は目立つので、コゼットを男装させてはどうかなとも思うのですが(一応、目くらましにもなるし)、多分その線はなさそうな気がします。
 なんとか警察の警戒網をかいくぐり、事なきを得るよう祈っています。
posted by セレネ at 11:14| Comment(0) | TrackBack(1) | 少女コゼット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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レビュー・評価:レ・ミゼラブル 少女コゼット/第14話『二人きりの旅』
Excerpt: 品質評価 21 / 萌え評価 31 / 燃え評価 10 / ギャグ評価 5 / シリアス評価 63 / お色気評価 21 / 総合評価 25<br>レビュー数 19 件 <br> <br> ワーテルロー亭から無事コゼットを連..
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Tracked: 2007-08-07 18:41
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